トラディショナル

シンプルなフランスパンは、フランスの「パン・トラディショナル」(pain au traditional)と呼ばれ、小麦粉、酵母(イースト)、水、塩で作られるパンをさすそうです。トラディショナルは「伝統」という意味で、伝統的なバゲットをトラディショナルと呼びます。

パン屋でスタンダードなバゲットの横に、「トラディション」と呼ばれるバゲットが置いてある所もあります。
トラディショナルは焼きが強く皮が厚くて、パンの気泡も粗目でワイルドな感じです。シンプルな材料であるため、小麦特有の風味、甘み、塩味が味わえます。ちょっと癖のあるチーズとか、お肉とか重めの食べ物はトラディショナルがお勧めです。

このバゲットは、その名の通り、昔ながらのレシピが復活したものです。
工場でのパンの生産量が増え、同時に添加物が入ったパンがスタンダードになりつつあることに危機感を抱いたパン屋さんたちが、伝統的なレシピのステータスを復活させたそうです。

もちろん、なんでもかんでも「トラディション」という名前を付けていいわけではありません。この名前をつけたパンを売るためにもまた、いろいろと条件が定められています。材料の規定やパン作りの過程を最初から最後までお店でやること。その過程で冷凍をしないこと。添加物を一切使用しないこと。これらはデクレ(décret)というフランスの政令(法律の一種)によって義務付けられているものなのです。

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