永年の伝統文化を誇るヨーロッパです。各地には、そこに住む人々の食生活を主食として支えてきたおいしい食事パンがあります。
フランスの食生活を象徴するパンに育ったバゲット型フランスパン。
寒冷な気候で栽培できるライ麦を主原料にしたライブレッド。
ドイツ皇帝の称号を冠したドイツの代表的ブロッツェン、カイザーゼンメル。
農民の主食として地域に根付き、その厳しい労働を支えてきたパン・ド・カンパーニュ。
オーストリアで、戦勝を記念して生まれたクロワッサン、などなど。
ヨーロッパでは通常、パン(Pain、Brot、Brötchenなど)と称されるのは食事パンのことです。一般的に砂糖や油脂は使用しないものがほとんどで、日本のご飯に相当する主食です。日本でいう菓子パン類は、イーストで発酵させたものでもヨーロッパでは菓子に分類されます。
気候が比較的温暖な地域では小麦が、寒冷地ではライ麦が主に収穫されるため、南部では小麦粉主体のパンが、北部ではライ麦粉主体のパンが発達しました。これがそれぞれの地域の食文化にも発展しています。