年のなかで昼と夜の長さがほぼ等しくなる日を、春は「春分の日」、秋は「秋分の日」とされています。秋分の日は「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」日として生活に深く根づく祝日となったそうです。ちなみに春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日として制定された国民の祝日。春分の日は、その日を境に夏に向かって1日の日照時間が長くなる。一方、秋分の日は冬に向かっていくため、1日の日照時間が日に日に短くなっていきます。
彼岸の中日(ひがんのちゅうにち)である秋分の日には、おはぎを食べる風習があります。その由来は諸説ありますが一つは、小豆の赤には邪気を払う効果があるとして先祖に供えられたのがきっかけというもの。おはぎに使われる砂糖は、かつて貴重とされ、このため、特に江戸時代の庶民にとっては、おはぎは贅沢な一品であった。このことから、おはぎは先祖にお供えする上等な品、そして前述した邪気を払い健康を祈願する意味でも、お彼岸の行事食となったという説もあります。
このおはぎ、そもそも名前の由来は秋の植物である萩。おはぎの名前は、これに由来しています。萩の花が、小豆の粒によく似ている様子から「御萩餅」と呼ばれていた。そのうちに餅が取り払われ、「おはぎ」とひらがなで表現される現在の形になったそうです。